美しき夜、北斗七星が輝く
「じゃあわたしは
もうすぐ夜の見回りの時間だから行くわね」
「わかった
お母さんこそ無理しないでね」
「…ああそうだわ美夜」
お母さんは白衣のポケットから
銀色の細長い物体を取り出した
これは…
「ボイスレコーダー?」
「患者さんを診察する時
一応録音しているの
その時にこれは使うのよ
わたしの言うことが信じられないのなら
それを聞いてみると良いわ」
「……わかった」
「あとね美夜」
「なぁに?」
「彼氏が出来たらもっと早く言えって
お父さん怒っていたわよ」
「……え?
それに怒ったの?」
怒るところが意外だった
「何で彼氏なんて…」と怒るお父さんならわかるけど
報告に怒るお父さんは珍しい気がする