美しき夜、北斗七星が輝く
色づいた世界
美夜side
「あっおはよう黒木さん」
「おはよう」
「おはよー黒木さん」
「おはよー」
今日もいつも通りの朝が始まった
あたしは挨拶してくるクラスメイトに挨拶を返す
あたしは黒木美夜
ごく普通の共学高校に通う2年生
クラス委員長を務める
まさに!花の女子高生
そして世間で言うリア充真っ只中
ふふっと思い出し笑いをしていると
制服のブレザーのポケットに仕舞っておいたスマートフォンが震えた
メールで送り主はあたしの彼氏
彼は携帯電話を所持しているからラインはしていない
<病院寄るから
少し遅刻するけど行くよ!>
短いその文面に
あたしはぱっと笑顔になった
見えないけど分かる
情けないほど口元が緩んでいるのが