美しき夜、北斗七星が輝く







そして久しぶりに

兄たちから学校の登校許可が出て

僕は嬉しかった



無断で家を出たことを

兄たちは怒っていると思ったけど

僕が行きたかった気持ちを察してくれたのか

「これからはちゃんと言って行くこと」を言われただけで

酷く叱られることはなかった




久しぶりの学校だったけど

松永先生からも登校許可を貰わないといけないから

遅刻して学校へ向かった



そしてその先で

…僕は久しぶりに彼女と再会した



変わらない青い瞳に

僕とそう変わらない背丈

カタコトの日本語を使う彼女――莉々花は

一気にクラスメイトから人気者になった




だけど…






「トーマ?聞いているノ?」


「…ごめん…何だっけ」





最近僕は上の空のことが多かった






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