美しき夜、北斗七星が輝く
樹side
迷路の入り口から入って数分
俺は完全に迷っていた
「…どこだぁ?」
黒木さんが方向音痴だってことは知っているけど
萌も斗真も方向音痴じゃないからなー…
もたもたしていたら先を超されちまう
優勝賞品欲しいし…
何が何でも目指すは優勝!
「でも出口が見当たらない…」
やっぱりさっきの道左へ行けば良かったか?
右へ来たのが失敗だったか?
俺は方向音痴じゃないはずだけど…
まぁ迷路に方向音痴も何もねぇ気がするけど…
終わりのない迷路の気がして自然と焦る
キョロキョロと辺りを見渡していると
目の前に見知ったあの人が立った
「……黒木さん?」
キョロキョロと俺と同じく辺りを見渡す黒木さん
そして俺を見つけたみたいで
「あっ」と声を上げた