美しき夜、北斗七星が輝く
やっぱり聞こう
半分以上上の空だった数学の授業を終え
私は美夜の元へ机の間を縫うように歩いて行った
「みーよ!」
「…………」
上の空だ
私が来たことに気がついていない
「美夜ってば!」
「……ああ萌
次は体育だっけ?」
「それは次の次!
お昼休みが終わった後の授業!」
とうとうボケてきたか
しかし私が美夜に突っ込むのは珍しい
いつも私は突っ込まれる方だから
「美夜!
ちょっと良い?」
「良いよ」
立ち上がった美夜をグイグイ引っ張って歩きだす
教室を出る際樹を見ると
樹は頷いて教室を一緒に出た
「…………」
目で会話した私たちを
美夜は寂しそうに見つめていた