美しき夜、北斗七星が輝く
「…でもあたしじゃ
白羽くんを理解出来ない…
莉々花は
幼い頃から心臓の病気で
手術で海外に行くから
白羽くんと別れたんだって
治った今でも
普通の人より身体が弱くて
欠席も当たり前で…
あたしよりも莉々花の方が
白羽くんの
発作や熱の苦しみがわかるって…」
「た…確かにそうかもしれないけど…
だからって今の関係は駄目だよ
白羽は何て言っているの」
「わからない……」
「つまり言ったのは白羽じゃない
佐木さんでしょ
美夜は白羽より
佐木さんの言うことを信じるの?」
我ながら酷い言い方だとは思う
だけど…美夜の答えはわかっていたから
「そんなことないっ…
莉々花より白羽くんを信じるよ…!」
「だったら直接聞きなよ
白羽が美夜をどう思っているのか
それだけで別れるって言うのなら
白羽の想いはそこまでだってなっちゃうけど
私見てきたからわかるよ
白羽が美夜をどう想っているかなんて
そんな理解出来ないってだけで
別れようなんて言い出す奴じゃないよ」
「黒木さん
1回斗真と話合ってみろよ
そこでまた悩むなら悩めよ」
美夜は涙で赤くなった目を上げた
そして……
「わかった…!」
コクンッと強く頷いたのだった