美しき夜、北斗七星が輝く







「斗真?」




近くに座っていた樹が来る

周りの皆は試合に夢中で気がついていない

先生もサッカーボールを追う皆を見るのに夢中だ




「ケホケホッ…ハァハァ…」


「ちょっと避けるぞ
こんな所にいたら試合の邪魔だ」




樹の肩を借りて端っこに避ける

そして冷たい地面に座った




「保健室行くか?」


「良い…ケホケホッ…
少し休めば良くなる…コホコホッ…」


「んじゃ俺
ちょっと先生の所行ってくるから」


「うん…ハァハァ…ケホケホケホッ…コホッ……」




胃の部分を押さえて深呼吸をする

眩暈はだいぶ治まってきた





『初めは息苦しさと眩暈が来るよ…』




随分前に聞いた松永先生の言葉が蘇る

そして今の自分の状況を思う






「…まさかね……」





あの言葉と同じ…?

体育をしたから偶然…?





『1番危険なのは
声を荒げたり興奮したりすること

ソレが絶対に悪化するから
気を付けてね

ただでさえ斗真くんは
他人より弱いんだから……』






「……」





少しだけ…痛んだ気がした








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