美しき夜、北斗七星が輝く







「言って来た…平気か?」


「大丈夫……」




だいぶ息苦しさも眩暈もなくなった

あの時言われたことと似ていて…

僕は俯いた




「……斗真?
もしかして具合悪ぃ?」


「ううん…違う……」




具合悪くない

だからこそ少し不安で…

だけど言っちゃいけない

間違いかもしれないから

僕の勘違いかもしれないから

迷惑かけちゃ…いけないから





「後半ー!集まれー」


「あ…俺行かねぇと
斗真1人で大丈夫か?」


「平気だよ
頑張ってね樹」


「……おう」





僕のいたチームは勝ったみたいだ

良かった…

僕は座って一生懸命試合に参加する樹を応援した






「…………」





松永先生にかつて言われた

“ソコ”に手を当てる





「大丈夫…
僕は…平気だから……」




どうして…

痛みを感じる気がするんだろう…?




呪文のように唱えると

自然と痛いと思う感情は消えた




怖い…

理由はわからないけど…

凄く怖いって思うのは何で…?







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