美しき夜、北斗七星が輝く







「確かに俺は
黒木さんのように強くねぇし
黒木さんも俺のように弱くない

これから先も黒木さんに迷惑かけるんだなって思うと
何度別れようか言おうとしたか…

そしていつも必ず
同じ決意に辿り着くんだ

それでも俺は
黒木さんの傍にいたいって…」


「……」


「何度も迷惑や責任を気にして
ただでさえネガティブ思考の俺は落ち込んで

だけど彼女は
迷惑も責任も全て背負うって
何度も俺に言ってくれて…

俺にとってすげぇ勿体ない彼女で
本当は俺なんかより
別の奴と一緒になれば良いって考えた

だけど…
黒木さんが俺と違う奴と歩いているのを想像するだけで
俺は絶対に後悔する

後悔したくない
いつ死んでも可笑しくない身体持ってんだ
後悔しないように生きたい

俺が…黒木さんを幸せにする」




涙を浮かべ始めた莉々花に頭を下げる





「だけど…
莉々花は悪くねぇんだ

俺が全部悪かった
ごめんな…莉々花

勘違いしていて…本当にごめん

俺は…莉々花と付き合えない

莉々花には
黒木さんに何度嫌だって言われても
諦めない自信のある俺じゃなくて
もっと別の良い奴がいるよ

ごめん……莉々花」






俺が莉々花に“あの事”を言われた日

言葉の意味がわかっていれば良かったんだ

わかっていれば…

きっとここまで莉々花を傷つけることもなかった







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