美しき夜、北斗七星が輝く
「斗真の馬鹿ぁ……」
泣きだした莉々花
前の――黒木さんと出会う前の俺だったら
きっとその涙を俺が拭っていた
だけど今…彼女の涙を拭うのは俺じゃない
「ごめん…莉々花」
もう1度頭を下げると
「……ッ」
ズキンッと
“ソレ”が痛んだ
だけど俺は顔に出さなかった
出さないことは慣れている
「……」
泣きじゃくる莉々花を横目に
俺は歩きだす
幸せになって…莉々花
莉々花は俺の初めての友達だから