美しき夜、北斗七星が輝く
美夜side
あたしたちの横を通り過ぎ
フラフラと歩いて行く白羽くん
だけど1回ピタッと止まった
「白羽くん……?」
声をかけると
白羽くんは眼鏡を外した端正な顔立ちを
ぎゅっと歪めた
そして右手でジャージのチャックの部分を握った
「白羽くん!」
発作!?
スッと1歩近寄ると
白羽くんはあたしに気づいて
ダッと駆けだしてしまった
「白羽くん!」
あんな発作が起きている状況で走ったら…
ただでさえ激しい運動は止められているのに
「おい斗真!
さっきアイツ
体育の時間軽い咳して
半分休んでいたんだよ
あの状態で走ったら…やべぇぞ!」
柿沢くんの言葉に真っ白になった