美しき夜、北斗七星が輝く
「僕なら…ゲホゲホゲホッゲホンッ…平気だから……」
「馬鹿っ!」
あたしは柿沢くんの手から薬と水を引ったくる
「どうしてそんなこと言うの!
どうしていつも自分だけ背負うの!
馬鹿っ!!」
あたしは錠剤を口に含み
水も同時に流しいれた
「ちょ…美夜!?」
「黒木さ…!お前何してっ」
あたしはふたりと同じく呆気にとられている白羽くんの赤みを帯びる頬を押さえると
そっと自分の唇を重ねた
「…黒木さ…ん?」
「ごめんね
苦しんでいるのは見ていられない」
「ゲホゲホゲホッゴホッ…りがと」
最初は酷かったけど
徐々に咳も治まってきた
だけど胸元――心臓を押さえる手は変わらない