美しき夜、北斗七星が輝く
「コホコホッ」と咳をした斗真はまた話し始める
「黒木さんに元気ないの…気づいてた
上の空だったことも
何か言いたくて…
何言えば良いかわからなかったけど
話しかけて…元気づけたかった
僕のせいだってわかっていたから…」
「斗真のせいじゃねぇよ」
「でも…
樹が言うように莉々花のせいじゃない」
「…………」
俺が佐木のせいだって言うのわかったのか
「お人好しだなぁお前は
こんなになっても佐木を庇うのか?」
「庇うんじゃない…
ただ他人を悪く言いたくないだけ…」
「どれだけ人が良いんだよ」
「…似ていると思った」
「え?」
「莉々花が…
ご両親に大丈夫って強がるの
僕に似ていると思った…
心配かけたくないんだよ…
大事な人には特に…
似ている所があるから…
あんまり酷いこと言いたくない…」
「……斗真らしいや」
笑うと斗真も弱々しく笑った