美しき夜、北斗七星が輝く
「黒木さん…
ちょっと起きるの手伝ってもらっても良い?」
「平気なの?」
「うん…
むしろ起きた方が楽かも…」
「わかった」
手伝ってもらって上体を起こす
そして酸素マスクを外した
「平気なの?」
「うん
また辛くなったらつける」
「そっか」
「…あのね黒木さん
聞いてもらいたいことがあるんだ」
ふと空を見上げる
やけに綺麗な満月だった
「……黒木さん
あの満月見てどう思う?」
「えっ?
綺麗だと思うけど」
「そうだよね…
僕も今はそう思う
だけど前…
僕はあの満月見ても
綺麗だなんて思わなかった」