美しき夜、北斗七星が輝く
「美夜は…気がついたの」
「あたしだって気がつかないよ
特に今回は話すことも少なかったし
だけど…これからはいち早く気づけたらって思ってる」
「どうやって……」
「白羽くんの大丈夫はアテにならないの
本当に平気な時もあるけど殆どは嘘
問い詰めると最終的には話してくれるから
本当に?って聞き返すと答えてくれるよ」
「……そんなので答えてくれるの?」
「白羽くん優しいから
こっちが本気で心配しているってことを伝えれば
素直に白状してくれるよ」
「美夜…凄いね
斗真のことよくわかってる」
莉々花は天井を見上げた
「わたしには
斗真しかいなかったの
両親は忙しくて
学校に行けなかったから友達もいなくて
同室の斗真の存在だけが
わたしの唯一の人間だったの…
斗真にね…面白半分で
許嫁にならないかって聞いたら
オッケーしてくれて…
手術のために海外へ渡ることを聞いて
斗真に元気になって会いに行くって約束したの
戻ってきたら正式に付き合おうって決めてた
でもいざ戻ってきて…驚いたわ
可愛い女の子が彼女になっていて
すぐにでもおめでとうって言いたかったけど
言ってしまったら今までのわたしの想いはどうなるのって
そこからはもう必死
斗真に美夜じゃなくてわたしを見てもらおうと
勉強もスポーツも手を抜かないで
何でも出来る可愛い彼女になりたくて
メイクや笑顔も練習して
斗真が発作を起こしていたなんて…
自分のことに精一杯で…気が付かなかった」
泣きだす莉々花
…莉々花も必死だったんだね
それほど…莉々花は白羽くんに恋していた