美しき夜、北斗七星が輝く







そして窓を開ける

中からしか鍵が閉められない簡単なもの

僕の部屋は1階だから

靴さえ持って来れたら簡単に家を出られる


家を囲む塀の上には有刺鉄線があるけど

門なら中から簡単に開けられる

外からは鍵とか必要だけど…




僕はこっそり扉を開けて

廊下に誰も出歩いていないことを確認する

そして玄関へ向かい

自分の靴を持って再び部屋に戻った




開け放たれた窓から靴を地面に落とす

僕の身長より少し低い地面までの高さ

骨折することはあり得ない

着地に失敗したら捻挫とかあるんだろうけど

僕は病気にかかりやすい身体しているけど

骨折などの怪我は1度もない




昨日のうちに準備していたケイタイや薬をポケットへ仕舞うと

僕は窓を乗り越えて地面に着地した

靴を履いてから軽く走って家の敷地内から脱出した




「…ハァハァ……」




体力ないから…外に出るまでに息切れだよ

通りが少ない場所に建っているから

塀に寄りかかって乱れた息を整えて

僕は待ち合わせ場所へと向かった







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