美しき夜、北斗七星が輝く







だけどやっぱり身体は素直で

お土産を買ってすぐに

酷い眩暈に襲われて

僕は熱を出して発作も起こした




熱があるのは自分でもわかる

なのに…寒い

冬に近づいているとは言え

まだそんなに寒くないはずなのに

手のひらを見るとカタカタと震えていた




視界が合わない

皆と景色が二重に重なる

まるで分身の術を見ているよう

眩暈も酷くて立っていられない

黒木さんに支えてもらっていなければ

きっとそのまま倒れていただろう




そして帰り道

空真兄ちゃんにバッタリ会ってしまって

今空真兄ちゃんは家にいるであろう兄たちに連絡している





「顔真っ赤だし咳出てるし震えているし…
多分これから熱上がるだろうな

オレ病院連れて行くから
松永先生への連絡頼めるか?
あと…保険証とか…そういう類のモノを

今?
今美夜ちゃん一緒にいるんだ
美夜ちゃんが一緒にいるなら安心だろ」





何度も意識を飛ばしそうになったけど

隣に黒木さんがいて支えてくれているから




2年の初めにはあり得なかった光景

僕は未だ信じられなくて

未だ一瞬触れるだけで恥ずかしいと思ってしまうのだ




こんなのじゃ…

意識飛ばすにも飛ばせないよ

嬉しい気持ちが大きいから……








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