イジワル社長と偽恋契約
「大丈夫。お義母さんと料理出来て楽しかった!白鷺家の味も覚えたし」


亜希子さんに教えてもらった味付けはちゃんとメモとったから、東京に帰ったら早速作ってみるか!






「お袋も楽しそうだったな。あんな顔久しぶりに見たよ。本当にありがとう」


寝ながら私をぎゅっと抱きしめる旭さん。

今日は昼間からずっと飲んでいたせいか、体温がいつもよりも熱い気がする…






「明日はお前ん家に俺も行くから」

「え?」


明日は昼くらいに私は実家に帰ろう思ってたんだけど…

旭さんも一緒に行くの?





「別に構わないけど…急にどうして?」

「お前は俺の親と会ってくれたのに俺は会わないなんて出来るかよ」


私から離れると両手を頭の後に組んで天井を見つめる旭さん。

その横顔がとても愛しく思えた。





「うちの両親も喜びます。ただ旭さんとお付き合いしてることは言ってないので驚くとは思いますけど」

「だろうな。でも問題ない。俺が何とでもするから」


旭さんの手がこっちにスッと伸びてきて、私を引き寄せるとそのままキスをした。





翌日。

予定通り私の実家に向かい、私は旭さんを恋人と仕事の上司として両親に紹介した。


お父さん、お母さん、そして弟はすごく驚いていたけど…

旭さんは私との関係をちゃんと両親に説明してくれて、真面目にお付き合いしていると言ってくれた。


両親はすぐに旭さんを気に入り受け入れてくれて、楽しい時間を過ごすことが出来た。



こうやってお互いにきちんと向き合った恋は初めて…


決して甘くない甘ずっぱい恋愛ばかりしてたから、神様からのご褒美にこんなに甘い恋を私にくれたのだと思う。



大好きな人だから大切にしたい…

この恋が最後の恋になりますように…


私は祈るように願った。
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