イジワル社長と偽恋契約
仕事はできないけど真面目で、

親父の言うように一生懸命なやつなんだと思った。



俺とちゃんと向き合うとしてるのか…?


そこまではわからないけど、

三井の作る飯はうまくて俺は気がついたらあいつを受け入れていた。



そして日に日に仕事も上達していく三井とはいいパートナー敵存在になり、

気がつくと俺は三井が嫌いではなくなっていた。



むしろ好きに近い。

部下を可愛がるという気持ちが少しだけわかった気がする…




だけどいつからだったかな…


三井を女として意識するようになったのは…




あいつの友達の前で彼氏のフリした時あの日…


俺と同じ傘に入る三井の視線は…友人だというある男にあった。



三井が女の顔をしていた。


正直面白くなかった。



結婚してる男を好いてどうすんだよ…


どうせならちゃんとした独身のやつにしろと言いたかった。




三井が不幸せなのはなんか嫌だったんだ。







決定的だったのが三井があの新婚男と2人きりで食事に行った日…


俺は人生で初めて、仕事が手につかないという現象に陥った。



パソコンを打っていても進まない。


書類に目を通しても頭に入ってこない。


イライラして社長室の窓から外を見ると、

東京のキラキラした街を眺めながら三井のことを考えていた。
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