イジワル社長と偽恋契約
他の男と会ってたくせに…


その顔はないだろうとムカついた俺は、

車に乗り込むと三井にキスをしてやった。



しばらくはこの事には触れてやらない。


散々俺のことを考えて悩めばいい…



そして向こうが爆発した時には、


俺が抱きしめてあげればいいんだから…





俺の計画は完璧だった。




しかし…






「社長。申し訳ありませんが急用を思い出したので私はこれで失礼します」


三井が突然俺の前から去った。

これから飲みに行く約束をしていたのに…


女に約束をキャンセルされたのも初めてだ。


元婚約者の恵さんが会社に押し掛けてきた事で、三井は逃げた。



俺は女関係で初めて焦りを感じた。

もしかしたら三井を失うかもしれない…



そう思うと怖くなって仕事を全てキャンセルし、

以前三井の友人と食事をした際にもらった名刺を探して連絡を取り、

三井の自宅までついてきてもらった。



こんな面倒臭い事を俺がするなんて、

信じられないな…


でも恋愛って面倒臭い事なんだ。

誰かを好きになると重い何かがくっついてくる…


この時俺はそれを学んだ。




そして何とか誤解を解き婚約者の恵さんに謝罪…

ここまでしたんだから…

もう俺の物になってもらわないと困る。

三井とちゃんと向き合う時が来た…
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