イジワル社長と偽恋契約
「…重い」

「すみませんっ…でも仕事はしちゃダメです!社員達が全てやってますから!」

「だから心配なんだよ。今はすごく大事な時だから」


まだ熱が下がってないのにも関わらず、辛いのを無理しているのがわかる。

ちょっと肌に触れただけで熱いし、顔付きも人目見ただけで具合が悪そうだ。





「社長なら部下達を信じてあげてください。きっとやり遂げてくれますから」

「…」


私がそう言うと旭さんは渋々納得したのか、毛布に入り直してゆっくりと目をつぶった。


私は寝室からそっと出て行き念の為マスクをして、

部屋の換気をした後きちんと加湿をしてキッチンでお粥を作る。



旭さんのことを心配しつつ、久しぶりに2人きりで家にいられることが嬉しくて仕方なかった。


彼の看病するのって夢だったんだよね…

何だか幸せを感じるな…

こんな事思ってたら体調が悪くて苦しんでる旭さんには申し訳ないけどさ…



お粥を作る手が軽やかになり、それが終わると洗濯をして部屋中を掃除。

まるで新婚気分。





ガチャ…
< 128 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop