イジワル社長と偽恋契約
「起きたら飯食うから用意しておいて。お前も分も」

「わかりました」

「…飯くらい一緒に食っても移りはしないだろ」


そう言って口元を緩めて笑うと、旭さんは毛布をかぶってそのまま寝てしまった。


遠まわしに「帰らなくていい」って言ってるんだよね…

旭さんて可愛い所もあるんだな。

ちょっとおかしいけどそういう所も好き…


私はよし!と気合いを入れてるとまたキッチンに行って冷蔵庫を開け、フルーツを出して食後のゼリーを作った。









「お粥なんて久しぶりに食べたな」


夕方起きてきた旭さんは、私が作ったお粥とゼリーを食べた後薬を飲みながら言う。


あれから熱も若干下がり顔色も良くなって来た旭さん。

まだ安心出来ないけれど、食欲もあるしとりあえず一安心。





「少しずつ回復してますね。良かったです」

「さっきよりは楽。お前のお陰だ」


水をぐびぐび飲む旭さん。








「服着替えます?体拭きましょうか?」

「ああ、頼む」

「用意しますね」


バスルームに向かい桶にお湯を張って戻ると、旭さんは着ていたロンTを脱ぎ寝室のベットの上に座った。

私はタオルをお湯で濡らしてぎゅっと絞り、旭さんの背中をゆっくりと拭く…



大きな背中…

筋肉が硬くて男らしい…


こんなふうにまじまじと背中を見ることなんてないもんなぁ…

なんかドキドキしちゃう…





「変な気持ちになられても今の俺は病人だからな。襲われても困るぞ」

「そ、そんなことしませんよ」


顔が赤くなり体中が熱くなってきた。


はぁ…

なんだか………フラフラする。



旭さんの裸を見たくらいでこんなに興奮するもなの…?







「う…」
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