イジワル社長と偽恋契約
「妙!?」


突然めまいがして気がつくと、私はそのまま旭さんの背中にもたれかかっていた。





「なんか熱いぞ?お前も熱あるんじゃないか…?」

「だ、大丈夫ですっ、たいしたことは…」


旭さんに無理やり体温計で熱を測られた私の体温は、余裕で38度を超えていた…





「病院行ってこい」

「はい…」


すぐにタクシーを呼んでくれた旭さん。

私はそのまま病院に向かい検査をしたらインフルエンザと診断され、薬を処方されフラフラの状態で帰宅。





「俺のが移ったな…」

「うぅ…」


旭さんの家に常備してある私の部屋着に着替え、ソファーで横になる私を心配そうに見守る旭さん。




「私に構わず寝てください…」

「今は俺よりもお前の方が重症だろ」


そう言って私をひょいと持ち上げると、旭さんは寝室まで運び私をベットにそっと寝かせる。





「ソファーでいいですよ」

「そんなわけにいくか。ここで一緒に寝よう」


旭さんが私の隣に寝転がるとギシっとベットが軋み、それと同時に胸がドキッと鳴る。


2人して同じ病気にかかるなんて何ともマヌケな話…

だけど私にとってはとても愛おしく感じて…旭さんからウイルスをもらって嬉しいだなんて…ちょっとイタイ事を考えたりした。
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