イジワル社長と偽恋契約
どんな些細な事でも幸せは無数にある…

旭さんとならどんな事でもプラスに感じていける…そんな気がしたんだ。










「ん…?」


目を覚ますと薄暗い部屋のカーテンが飛び込んで来て、隣にいるはずの旭さんが見当たらない。

私は体を起こして部屋の時計を見ると、時刻は深夜の1時を過ぎた頃だった…



結構寝ちゃったみたい…

まだ熱っぽいけどさっきよりはマシになった気がする…





「…起きたか?」


寝室を覗き込む旭さんは、片手にカップを持っていてそこから湯気が出ている。




「はい…旭さんも起きてたんですね」

「俺もさっき起きて卵酒作ってた」

「作れるんですか?」


卵酒が料理と言えるかわからないが、旭さんがそんな事をするのはかなり珍しい。





「スマホでレシピ探したんだ。お前も飲むか?」

「はい」


旭さんがキッチンへ戻る所を見てベットから起き上がろうとすると、

彼はまたすぐに寝室に戻って来る。






「持って来てやるからそこにいろ」

「でも…」

「いいから」


そう言い残してキッチンへ向かう旭さん。

私は言われた通りベットに残り、キッチンにいる彼の様子をチラチラと伺っていた。





いつもなんだ何だで優しいけど、

今日はいつもよりも旭さんが優しい気がする…


2人で仕事してるのも好きだけど、

こんなふうにお互い体調を崩していてもなんかいい日になる…






「ん…」

「ありがとうございます」


カップに入れた卵酒を持ってきてくれた旭さん。

それを受け取ると、旭さんは私の隣に座り2人してベットに座りながら熱い卵酒をすする。
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