イジワル社長と偽恋契約
「美味しい…体が温まります」

「早く治して仕事復帰しないとな」

「そうですね」


今年はうちの会社にとって大事な一年だというのはわかってる。

私も早く治して彼のサポートしなくちゃ。





「この半年はすごく早かったな…猛スピードで毎日が過ぎて行った気がする」

「はい。私もです」


卵酒の入ったカップを眺めながら、旭さんはぽつりとそんなことをこぼした。



私もそんな感じだったな…


宏伸社長が亡くなってから今日までとても早かったし、

仕事面でも恋愛もすごく濃い毎日を送って来たような…






「忙しい毎日だったけど…隣にはいつもお前がいた」

「旭さん…」



そう…

宏伸社長が亡くなってとても辛くて悲しかったけど…

隣にはいつも彼がいた。


腹が立ったり、

嫌いになったり、

傷ついたり…


胸が高鳴ったり、

好きになったり、

傷ついたりした…



そして今がある。

旭さんを心から愛してる…


ベットの上で部屋着姿で2人で卵酒を飲んでいるこの瞬間、

私はそう胸に噛み締めながら思った…









「結婚しようか」
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