イジワル社長と偽恋契約
「色々大変だとは思うけど苦労はかけないよ。お前が隣に居てくれれば俺は無敵だからな」

「私もですよ」


それは私の台詞。

旭さんがいつも一緒にいてくれるから、私は何だって頑張れるんだから。






「結婚してくれますか？」

「はい」


旭さんが私の左手の薬指に婚約指輪をはめてくれる。


少しカサカサの肌で短くてネイルもしていない私の手の指がキラキラが光る…

また涙が出た…






「絶対幸せにするから」

「…はい。いくら賭けますか？」


初期の2人に戻ったように聞いてみるとてっきり乗ってくると思ったのに…

旭さんはいやに真剣な顔をする。


不思議に思っていると、旭さんは私を真っ直ぐ見つめて口を開いた。





「もう賭け事はやめるよ」

「え？」

「お前との事を賭け事なんかにしたくないし」


旭さんはベットから降りると寝室のテーブルに置いてある、

以前賭け事に使ったお札の入ったグラスを手に取った。





「って事で。体調が良くなったらこれでうまいものでも食いに行くか」

「そうですね」


私に近づいて来てまたベットに腰を下ろす旭さんは、クスッと笑った後で私にキスをした。



改めて幸せを噛み締める……


この人を大切にしようと心から思い、

旭さんとずっと一緒にいられますようにと強く誓った。
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