イジワル社長と偽恋契約
私の胸はハートマークでいっぱいで、天にも登るような気持ちだ。

こんなふうに毎日のように夫にドキドキしたりして、私の日々は過ぎていっている…

新婚は皆そうなのかな?





「髪ボサボサだぞ。せめて髪くらいはちゃんとしろよな」


私の上に覆いかぶさるようにして髪を触る旭さん。





「髪くらいはって酷………」


旭さんの言葉にすねて見せようとすると、不意をついたように私にキスをしてきた。

私は一時停止したかのように一瞬動かなくなる…






「目も覚めちゃった事だし…いいだろ?」


もぞもぞと私の服の中に手を入れる旭さんの手つきは、ここぞとばかりにいやらしい。




「明日早いのに…それにさっきだって……」

「固いこと言うな。明日は結婚式だぞ?前夜におとなしく寝てられるか」

「…」


夫は至って元気そうだ。

とりあえず安心した…












「とっても綺麗ですよ~口紅の色がすごくはえますね」


翌日。

私は旭さんと朝早くから都内の某有名な結婚式会場に向かい、

早朝からエステやら何やらをやってもらい今はメイク中…


やられるがまま大人しく椅子に腰掛け、朝食として出されたサンドイッチには手をつけず野菜ジュースだけ飲んでいた。
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