イジワル社長と偽恋契約
「準備が出来次第お呼びいたしますので、少々このままでお待ちくださいね」

「わかりました…」


ヘアメイクが済み着替えも終わると、私は父と2人で教会の外の扉で待機していた。

お父さんと2人きりになるのなんて久しぶりだ…




「慌てて歩いて転ぶんじゃないぞ」

「大丈夫」

「結婚してもちゃんとやるんだぞ」

「わかってる」



ちらっと隣にいるお父さんを見ると、

うるうると目を潤ませていて既に泣き始めている状態。





「もう…」


お父さんの背中を摩っていると、式場のスタッフに声をかけられてしばらくすると教会の扉が開いた。


私はお父さんの腕に手を添えてゆっくりと中へ足を踏み入れる…



明るい光が差し込むガラス張りの教会は、天井や床は白くとても素敵。


10人程座れる横長の長椅子が両端に20列位並び…


内側にそって長椅子には白い綺麗なリボンが繋がり、


床には品のいい色のキャンドルと、ピンクと白のバラの花が飾られている。



とても可愛らしくて素敵過ぎる程の教会で、

今日の主役は私…


今日だけは特別な女の子になれるんだ…
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