イジワル社長と偽恋契約
「さあ、次は何を勝負しようか」
「そうですね…」
なぜ旭さんと二回目の勝負をしなくちゃいけないのか…と疑問を持つもう1人の冷静な自分もいるが、
彼の機嫌を損ねないよう今はあえて黙っていた方が堅実だ。
「ここで考えていても仕方ないし…良かったらランチに付き合ってくれないか?」
「ラ、ランチ!?…ですか!?」
確かにまだお昼は食べていないけど…
まさか旭さんからランチに誘われるなんて…
「嫌ならいいが…」
「いや行きます!行かせて下さい!!」
仕事の同席のお許しはまだだが、ランチだけは許してくれた彼に少しホッとした。
ここから少しずつやっていけばいい…
「それでは失礼いたします。ごゆっくり」
和服を着た若女将が個室から丁寧な挨拶をして出ていく。
私と旭さんがやって来たのは都内の和食のレストランで、国内はもちろん海外の方からも人気の高い店。
私達はそれぞれ注文した定食に手をつけると、旭さんは手と口を動かしながらうーんと考え込んでいた。
「勝負ねぇ…」
まだそれを考えてたのか…しかも結構真剣に。
私との賭け事なんてそこまで真剣じゃないなんて言っておいて、結構本気で考えてない?
彼を観察するように見ながら黙々と食べていると、旭さんは箸を置いてスーツのポケットからスマホを出した。
「済まない。電話だ…先に食べてていいぞ」
「…わかりました」
旭さんは個室から出ていくと、仕事らしき電話をしている様子。
私は箸を置いてカバンからスマホを取り出した。
先に食べてていいって言われたけど…
なんか気が引けるしな…
ブブブ…
そんなことを思っていると私のスマホが急に震えだして、画面には「香苗」からの着信の表示が…
旭さんもいないし…ちょっとくらい出ても大丈夫かな。
香苗は連絡が取れないと結構しつこく連絡してくるタイプだし…
「…もしもし」
若干小声で電話に出た私は、個室の隅の方に寄り壁側に頭を向けてコソコソと話し始める。
「妙?ごめーん今平気だった?」
「まあ平気っちゃ平気だけど…」
仕事中にプライベートな電話してるって、なんかいけないことしてる気分。
「ちょっと!LINEちゃんと返してよね~真希はOKだったから後は妙の返事待ちなんだけど」
「そうですね…」
なぜ旭さんと二回目の勝負をしなくちゃいけないのか…と疑問を持つもう1人の冷静な自分もいるが、
彼の機嫌を損ねないよう今はあえて黙っていた方が堅実だ。
「ここで考えていても仕方ないし…良かったらランチに付き合ってくれないか?」
「ラ、ランチ!?…ですか!?」
確かにまだお昼は食べていないけど…
まさか旭さんからランチに誘われるなんて…
「嫌ならいいが…」
「いや行きます!行かせて下さい!!」
仕事の同席のお許しはまだだが、ランチだけは許してくれた彼に少しホッとした。
ここから少しずつやっていけばいい…
「それでは失礼いたします。ごゆっくり」
和服を着た若女将が個室から丁寧な挨拶をして出ていく。
私と旭さんがやって来たのは都内の和食のレストランで、国内はもちろん海外の方からも人気の高い店。
私達はそれぞれ注文した定食に手をつけると、旭さんは手と口を動かしながらうーんと考え込んでいた。
「勝負ねぇ…」
まだそれを考えてたのか…しかも結構真剣に。
私との賭け事なんてそこまで真剣じゃないなんて言っておいて、結構本気で考えてない?
彼を観察するように見ながら黙々と食べていると、旭さんは箸を置いてスーツのポケットからスマホを出した。
「済まない。電話だ…先に食べてていいぞ」
「…わかりました」
旭さんは個室から出ていくと、仕事らしき電話をしている様子。
私は箸を置いてカバンからスマホを取り出した。
先に食べてていいって言われたけど…
なんか気が引けるしな…
ブブブ…
そんなことを思っていると私のスマホが急に震えだして、画面には「香苗」からの着信の表示が…
旭さんもいないし…ちょっとくらい出ても大丈夫かな。
香苗は連絡が取れないと結構しつこく連絡してくるタイプだし…
「…もしもし」
若干小声で電話に出た私は、個室の隅の方に寄り壁側に頭を向けてコソコソと話し始める。
「妙?ごめーん今平気だった?」
「まあ平気っちゃ平気だけど…」
仕事中にプライベートな電話してるって、なんかいけないことしてる気分。
「ちょっと!LINEちゃんと返してよね~真希はOKだったから後は妙の返事待ちなんだけど」