イジワル社長と偽恋契約
シルクの落ち着いたベージュカラーのシーツにゆっくりと横になり、ふかふかの枕に頭を乗せて掛け布団をかぶる。


枕やシーツにはほのかに旭さんのあの爽やかな香りがして、またドキドキして頭は彼でいっぱいになる。




些細なことでこんな気持ちになるなんて…

旭さんは部下として私を認めてくれつつあるから最近は前よりは優しいだけなのに…

それを本気で意識してしまうなんて…秘書失格。


弱っている時にちょっと優しくされたからって…単純もいい所。

イケメンで地位もあるし仕事も出来る人にあんな事されたから…


一応私だって女だし男慣れしてる理由でもないから、

さっきみたいに男の人に触れられただけで普通にしていられない…



前に香苗達に偶然会って恋人のフリした時に、旭さんに肩を組まれた時もドキドキしたけど…あの時とはまた違う。


今は胸がキュッと締め付けられて苦しい…おまけに熱いよ。


こんなのダメだってわかってるのに…

でも胸の鼓動が止まらないの……


私どうしちゃったんだろう…


私は旭さんの香りに包まれながら気がつくと眠っていて、目が覚めると14時になっていた。






ガチャ…


仮眠室から出ると旭さんはデスクで仕事をしていてコーヒーを飲むついでにこっちに目を向けると、また手を動かしながら口を開く。





「体調はどうだ?」
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