イジワル社長と偽恋契約
旭さんが私の手を引いて歩き出す。
迷子になった子供が親に引き取られたみたい…
ロータリーに止めた車の前まで来て助手席に乗り込むと、運転席に乗る旭さんが私をじっと見つめてきた。
シートベルトをしめていた手が止まり私は彼を見つめ返す。
「…あいつより俺を選んだってことは……俺の色仕掛けに乗ったってことか?」
「…」
真顔で言う旭さんの表情を見ても、冗談なのか本気なのかわからない。
でも…そんなこと今はどうでもいいと思った。
「はい…」
素直に頷いてしまった。
もう何でもいい…
嘘でも状態でもいいから今夜は彼と一緒にいたいから。
旭さんの大きな手がこっちに伸びてきて、私の髪の毛に触れた。
私を撫でるように髪をとかすような手つきにドキドキしてしまう…
冷えた頬に暖かい旭さんの手の温もりが伝わって、嫌なことを全て忘れてしまいそうだ。
そして彼の顔が近づくと私は瞬きを何度か繰り返した後、そっと目を瞑った。
唇にそっと触れる旭さんの唇…
すごく優しいキス。
こんなキスは生まれて初めて…
車内に2人きりの時が流れる…
今は私達の時間しか進んでいない…
2人だけの空間の中で、
私達は上司と部下の関係を越えたのであった…
迷子になった子供が親に引き取られたみたい…
ロータリーに止めた車の前まで来て助手席に乗り込むと、運転席に乗る旭さんが私をじっと見つめてきた。
シートベルトをしめていた手が止まり私は彼を見つめ返す。
「…あいつより俺を選んだってことは……俺の色仕掛けに乗ったってことか?」
「…」
真顔で言う旭さんの表情を見ても、冗談なのか本気なのかわからない。
でも…そんなこと今はどうでもいいと思った。
「はい…」
素直に頷いてしまった。
もう何でもいい…
嘘でも状態でもいいから今夜は彼と一緒にいたいから。
旭さんの大きな手がこっちに伸びてきて、私の髪の毛に触れた。
私を撫でるように髪をとかすような手つきにドキドキしてしまう…
冷えた頬に暖かい旭さんの手の温もりが伝わって、嫌なことを全て忘れてしまいそうだ。
そして彼の顔が近づくと私は瞬きを何度か繰り返した後、そっと目を瞑った。
唇にそっと触れる旭さんの唇…
すごく優しいキス。
こんなキスは生まれて初めて…
車内に2人きりの時が流れる…
今は私達の時間しか進んでいない…
2人だけの空間の中で、
私達は上司と部下の関係を越えたのであった…