イジワル社長と偽恋契約
「ん…」


目を覚ますと薄暗い部屋の壁が目に飛び込んで来て、後ろから旭さんに抱きしめられていた。


そっと体を起こして部屋の時計を見るとまだ夜中の2時。

ホッとした私はまたベッドに寝転がり、寝ている旭さんを見つめた。



あの後…

お互い裸のまま寝ちゃったんだ…





「あ…」


肌寒くて毛布をかぶろうとしたら、ふと胸元に目が止まり膨らみの部分にキスマークがあるのを発見。


さっき旭さんがつけたんだ…


胸がきゅっとしてドキドキしながら旭さんを見つめ、胸に顔を埋めてぎゅっと抱きついた。





「寝れないの…?」

「っ!」


私が抱きつくと旭さんも私を抱きしめ返して来て、思わずビクッと驚いてしまう。





「ごめんなさい!起こしました?」

「いや…ウトウトしてただけで寝てないよ」


ぎゅぅっと力強く私を抱きしめると、旭さんは私の髪の毛を撫でるように触る。

幸せ過ぎて胸がいっぱいになる…





「…もう少しくっついて」

「え、こうですか?」

「もっと」

「…こおですか?」


私の旭さんはぴったりとくっついて、1ミリも離れていない距離感。




「ん。いいね」

「いいって?」

「んー胸が当たるからいいってこと」

「なっ…」


それを聞いてさっと離れると、旭さんは不満そうな顔をして少し不機嫌になる。
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