生意気男子のマネージャー
帰り道。
あれから、一度も勝てなかった。
悔しい。
「そんなに、気を落とさないでくださいよ。」
「…。」
小松君は、クスクスと笑いながら、私を見ている。
そんなに笑わなくてもいいじゃん。
ブぅ。
っとふてくされていると。
「…ありがとうございますね。」
小さな声でボソッと聞こえた。
「へ?いま、お礼が聞こえたような。」
「言いましたよ?お礼。」
じっと小松君を見ると、フイっと逸らされる視線。
でも。
「なんで、お礼…?」
「あまり、ああいう所、来たことなかったんで…。楽しかったです。」
一呼吸おいて、小松君はいつもとは想像つかない哀しげな顔で言った。