ダサい兄貴がいる友達と仲良くなる話
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昼休み。
小夜ちゃんに連れてこられたのは、2年生の教室。
行き慣れているのか、どんどん進んで行く。2年の人たちも全く気にしていない。
ガラガラ…
ドアを開け、ズンズン進んでいくのを追いかける。
2年生の教室なんて来たことないから、怖いよ…
ビクビク、キョロキョロしながら小夜ちゃんの背中を追いかける。
ドン…
小夜ちゃんが止まったことに気付かず、背中にぶつかってしまった。
「美雨…
昨日、会ったのって…
この人?」
ぶつかったおでこをさすりながら、背中越しに顔を出すと…
「…あっ…
この人です…」
小夜ちゃんの背中につかまり、顔を引っ込める。
席に座り、ボーッとこっちを見ている人。
昨日と同じ、長い髪に大きな黒ぶちメガネとマスク。
「小夜… 何?」
マスクの中から、ボソボソっと声がする。
間違いない…
昨日会ったのは、この人だ…
背中越しに覗くと、頬杖を付きながらあたしの顔をチラッと見て視線を外した。
「昨日、図書室行ったでしょ?
自分で行けるなら、私に頼まないでよ!」
バンっっ!と机を叩きつけた。