ダサい兄貴がいる友達と仲良くなる話


「女子、並べよっ!

バレー部、わかってるだろうなぁ!」



先生…

それ、脅しですか?

みんないるんだから、バレー部だけに言わなくても…



ブルブル…

身体を震わせた。



怖い…


小夜ちゃん、よくあんな怖い先生の部活に入るよ…


小夜ちゃんたち、バレー部のみなさんはスタートライン付近にみんなが揃ってる。



「一人の脱落も許されないからね!

頑張るよ!」


キャプテンらしき人の声が、一番後ろにいるあたしまで聞こえてきた。



スタートラインにあたしが立っていたら、早い人たちに迷惑がかかるからこの場所でいいの。


あたしの目標は完走だから!



「バレー部、いいな?!」


いやいや、みんなに聞いてあげてよ…




「位置について…


用意…


バーーーーン!!」


ピストルの合図と共にスタートライン付近の人が一斉に走り出す。


小夜ちゃん、頑張って!


ノロノロと動き出すあたしから、先頭集団が見える。


小夜ちゃん…


あっ、いた!



20人くらいがひしめく集団の中、必死に抜け出そうと真剣な小夜ちゃんが見えた。




は、早いなぁ…


あの速さ、あたしの50メートル走走るときより早くない?


持久走大会ですよ?



そんなスピードで走ったら最後まで持たないよ?


みんなわかってるのなぁ?


首をかしげながら、一人ゆっくり走り出した。


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