ダサい兄貴がいる友達と仲良くなる話
「…」
見つめたまま、何も言わない進藤さん。
「ゴメンね…
友達って、難しいよね…」
また、外に目を向けようとすると…
「友達は、難しいよ。
でも…
だからいいんじゃないのかなぁ…」
「え…?」
「良いことも悪いことも、一人でいたらわからなくなる…
友達と一緒なら、たくさん話して悩んで。
それがどんな結果でも、友達となら乗り越えていける。
私は、友達は大切にしてきたし、これからも大切にしていく」
そーなのかもしれない…
誰とも話さなくなって、進む道がわからなくなってるんだ、あたしは…
それより、気になることが…
「進藤さん…って、
友達いたの?」
「え?!
フツーにいるし!
高校には居ないけど、地元に帰ればたくさんいるんだから…」
下を向きブツブツ、シィちゃんは保育園からの友達だし、カナは水泳教室からの友達だし…
指を折り、友達の人数を数え始めた。
その姿が可笑しくて
「ふふっ! あはははっ!」
大声で笑いだしてしまった。
音楽室に響き渡り、いつの間にか注目を集めてる?!
途端に恥ずかしくなって、進藤さんの座る机に隠れた。