ダサい兄貴がいる友達と仲良くなる話
その日の放課後、あたしは星ちゃんと紗弥ちゃんを呼び出した。
本当に来てくれるか、不安だったけど、時間通り空き教室に来てくれた2人。
星ちゃんは、約束を破ったり時間に遅れたりすることがキライだから、来てくれるって信じて待てた。
「美雨、話って何?」
あたしの顔を真っ直ぐ見て、そう切り出してくれたのは、紗弥ちゃん。
話を聞くのがうまくて、そのうえ、話も面白くて。
2人はいつも、あたしのことを温かく見守っていてくれた。
進藤さんが、そのことを思い出させてくれた。
「この前は、ゴメンなさい!!」
頭を下げられるだけ下げて言った。
「2人があたしのこと心配して言ってくれてるのに、あたし、ムキになっちゃって…」
あたしは、2人に甘えていたんだ。
「ゴメンを言うのは、わたしだよ…
美雨を助けてくれた人のこと、悪く言ってゴメンね」
「それをいうなら、あたしだよ…
間に入らなきゃいけないのに、カッとなって紗弥香を連れ出しちゃったから…」
2人は、あたしに駆け寄ってくれた。
ゆっくり頭を上げると、ニッコリ笑う2人が見えた。