ダサい兄貴がいる友達と仲良くなる話
食事を終えて、小夜ちゃんが部屋に戻る。
来た時より元気になったみたいで、来て本当によかった…
「片付け終わったら、そろそろ帰るね。
小夜ちゃん、お大事にね」
「美雨、ありがとう。
本当に助かった!
月曜には、元気になるからね。
帰り、気を付けてね!」
少し元気になった足取りで部屋に戻っていった。
さて!
食べ終わった食器を片付け、帰る準備を始めた。
ソファでくつろいでいた親戚の人に
「お邪魔しました。
そろそろ、失礼します」
声をかけると
「駅まで送ってくよ!」
そう言って、上着を着た。
「あれ?
それ、お兄さんのじゃ…?」
確か、学校帰りに来ていたもの。
「あっ… オレの上着、あいつの部屋だから。
借りてくだけ!」
後ろに結んだ長い髪を指でクルクルっと回すと、部屋を出て行った。