ダサい兄貴がいる友達と仲良くなる話
ひとしきり泣いて、電車の中で起きたこと、それから電車に乗れないことを小夜ちゃんに話した。
『美雨…すぐ行くから待ってて!』
「小夜ちゃん、熱があるから…
あたしは、大丈夫だから。
電車が空いてきたら乗れるから」
涙がようやく収まって、鼻水をティッシュで拭きながらうずくまって話していた。
『私が行きたいけど、さすがに今はムリだから…
そのかわり、兄貴行かせたから!
着くまで、私と話してて』
「小夜ちゃん、熱があるから…
寝てていいよ…
お兄さんも来なくていいから…」
『もう行ったから!
美雨のこと心配で寝てられない。
お願いだから、私のために話してて』
小夜ちゃんったら…
風邪で辛いはずなのに…
「小夜ちゃん、ありがとう…」
さっき止まったはずの涙がまた、溢れ出す。