ダサい兄貴がいる友達と仲良くなる話
「シドさん…
本当にありがとうございました」
深々と頭を下げて、お礼を言った。
「もう、いいって!
もう遅いし、次の電車に乗ろう。
オレが、守るから!」
真剣な目であたしを見つめる。
えっ?!
こんな顔で見られたら恥ずかしい…
寒さで頬が赤くなっていたはずなのに、今度は恥ずかしさで赤くなる。
「あれ?
顔、赤いよ?
熱が出てきたんじゃない?!」
慌てた声で言うと、あたしのおでこに手を当てる。
「わっ!
だっ、大丈夫ですから!」
背中をベンチの背もたれにぶつけて、のけ反った。
「あっ…そぉ?
ならいいけど…?」
不思議そうな顔をして、離れてくれた。
もう、ビックリさせないでよ…
はぁ、ドキドキした…