ダサい兄貴がいる友達と仲良くなる話


次の電車に乗りこんだ。

人とぶつからない程度になっていた車内。

それでも、親戚の人はあたしを守るように、座ったあたしの前に立っていてくれた。

さっきまでの電車への恐怖はなくなって、守られている幸せで、なんだか胸がくすぐったかった。



家に帰ると

「こんな時間まで何してたの?!」

心配で泣きそうになったお母さんが飛んできた。

「ごめんなさい…」

「すみませんでした。

妹の看病をしていただいて、こんな時間まで引き止めてしまいました。


どうか、美雨さんを叱らないでください」

あたしの後ろから、すっと前に立ち深々と頭を下げて謝った。

その言葉に、申し訳なさが伝わってくる。


「あっ、そーだったの…?

いや、いいの。それなら、いいの…」


突然のイケメン登場に、顔を赤らめてワタワタと両手と顔を振ってる。


もぉ… お母さんったら…


うちのお母さんは、大のイケメン好き。

紗弥ちゃんとアイドルのコンサートに行っちゃうくらい。

いい歳して、恥ずかしいよ…



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