rain kiss『完』
「久しぶりじゃない。記憶戻って良かったわね。あなた、学校じゃないの?」
「…関係ないじゃないですか。」
久しぶりに見た春沢先生は、痩せた感じがした。それも、綺麗な痩せ方ではなくて、頬がこけた感じの……。
学校に居た時とは思えない顔つきになっていた。
「ねぇ、あなた…その雑誌……」
やばっ……!!
私は本を急いで元の位置に戻した。
「さよなら。」
私が横を通り過ぎようとしたら、肩をつかまれた。
「あははっ!あなた、妊娠してるのね。新も可哀想だわ。一言だけ言っとく。これで、産むとしても、困るのは、あなたじゃなくて新♪間違いなく、新に捨てられるわよ。だって、あなた達、高校生なのよ?」
足が動かない…ー。
声が出ない…。
薄々感じてた事をはっきりと言われたから。
頬を涙が伝う。
「新には…ー言わない。」