rain kiss『完』
男の人は私の目の前で止まった。
とても…かっこいい。
モデルみたい。
それに、きりっとした目。吸い込まれそうになる。
その時…。
光と共に、あれが、
「あんた…、だ『ゴロゴロゴロゴロ…バァーーン!!』
今、鳴るとかありえない。
「キャーーーーッ!!!」
…
……
雷がやみ、しばらくしてから、男が言った。
「おい。いつまでこーしてればいいの?もうすぐ他の生徒くるよ?」
「え?あ…、ええっ!?わ…私、いつから抱きついてた?!す…すみません!!」
ぷ。
男は笑った。てゆーか、ふいた。
知らない間に私は男に抱きついてたのだ。
私、最悪。
でも、この人かっこいいし、ラッキーだったかも。
…て 思ったのはつかの間。
ちゅ…。
「あんた、積極的だな。嫌いじゃないよ。クラスと名前は?」
「…1年3組。優美。」
「優美。またな。」
男はそれだけ言って、私に背を向けた。
…て。
あの男、私にキスしなかった!?!?
なんか唇に触れたもん!!
な…な…。
「ちょいまて変態!」
男は私に振り向く。
「ちょっとかっこいーからって調子のんなよ!勝手にキスして、勝手に帰るなーっ!!」
言ってやった。
私は満足げに笑った。
「優美、俺にそんな口聞いてんじゃねーよ。てか、もっとしてほしーの?」
「は?」
男は私に近づく。