rain kiss『完』
「優美、ごめん。……ごめん」
俺は優美の隣で手を握った。
優美の手は暖かくて…とても暖かくて……。
涙が出そうになった。
ガラガラ。
「ぁ…。」
「しつれい。こっちは、研修生の…」
「高野です。新渡戸さんの担当になりました。」
現れたのは、年寄りの白髪まじりの先生と若い先生だった。
「私はこれで。詳しくは担当の高野に聞いてください。」
「はい…。ぁの…、優美はー…?」
「息はしています。死にはしないでしょう。ただー…」
「ただ?」
「頭を強打したので、脳に支障をきたす恐れがあります。軽い障害が出る可能性もあります。」
こいつは 何を言ってるんだ。
理解できない。
隣で眠る優美に…障害……?