rain kiss『完』


「新覚えてないかもだけど、小学生の時、私新に助けてもらったの。雨がすごくて、雷が鳴ってた日の朝。その日…、私の本当のお母さんとお父さん、それと妹は…」


優美の声が震える。

消えそうな…声……。



「優美、知ってるから。言わなくていいから。」

「なっ…なんで知ってるの?!」

「優美のお母さんが言ってくれた。」

「…そっか。………。新、何度も助けてくれてありがとう。」

「…ぅん。」


「私、新に会わなかったら、本当のお母さんの事とかも忘れてた。今まで、その事を思い出すのが怖かったの。だから、忘れようとして、思い出さないようにしてたの。」



……ちゅ。





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