レインリリーで待ってる





私は、加持くんに今日あったことをすべて話した。




公生くんには悪いと思ったけど、公生くんの闇を一人で抱えていられる自信が私にはなかった。




誰かに話したくて、聞いてもらいたくて、きっと『レインリリー』に来たのは、加持くんに真っ先に聞いてほしかったからだと思う。




私は、彼氏である、加持くんに初めて甘えたくなったのだと思う。




「そうかー、そりゃえらい大変やったなー」




加持くんは、背もたれにどかっともたれながら、ため息を吐くようにそう言った。




「うん……だから、新海公園は無理そうかな……」




すると、加持くんは「そうやないやろ?」と背もたれから背中を離しながら私に言った。





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