レインリリーで待ってる
「ただなー、『レインリリー』には別の花言葉もあるんや。なんやと思う?」
別の? 『期待』だから……えっと……。
「希望?」
加持くんが頭を横に振って、私に顔を近づけた。
「『潔白な愛』。つまり、純愛やな」
「純愛……」
純愛……この言葉が私の胸に引っかかる。
「まあ、俺らの間には、きっと愛はないんやと思う。優衣次第やけど、そうやろ?」
私は、黙って頷いた。
「ええ。それでも今はええ。でもな、この先、シャレんならんことが起きる気がする」
私は驚いて顔を上げた。
「シャレにならないこと?」
「そう。ちなみに『シャレ』ってどういう字書くか知っとるか?」