レインリリーで待ってる
「上がったよ」
との公生くんの声がして、私に緊張が走る。
それは、公生くんが上半身裸で髪を拭いていたこともそうだけど、着々と告白の時間が近づいてきているからでもある。
「と、とりあえず、上着て。ご飯出来てるよ」
リビングに座りながら、お父さんのTシャツを着ている公生くんの前に料理を出した。
「へえー、すげーな。うまそうじゃん」
その一言が何よりも嬉しくて、「さ、食べよ!」と言い、私も席に着いた。
「あ、うん……」
「どうしたの? 冷めないうちに食べて、感想聞かせて?」
「あ、いや、箸……」
「あっ!」
早く感想が聞きたくて、準備するのを忘れてしまった。