レインリリーで待ってる
「私はねー、中学の時からずっっっっっと、あんたが常盤くんのことを好きになるより前からずっっっっっと!! 常盤くんのことが好きだったのよ。私の生きる理由だったと言ってもいいくらいにね」
「で、でも……そんなこと一言も言って……」
「あんた馬鹿なの? それとも私をおちょくってるの? 言えるわけないじゃない! 隣で『公生くんってかっこいいよね!』なんて言われて。それで、『実は、私、常盤くんのこと好きなんだよねー』なんて言えると思う? 友達にそんなこと……」
確かにそうだ。
てっきり、明日菜は公生くんに興味ないって思ってたし、それどころか、『あざとい』なんて言ってて、でも、その『あざとい』はきっと私への嫉妬だったんだと思うと、なんだか申し訳なくなってきた。
「明日菜、あのね……」
「だーかーらー、私、いい加減、イライラしちゃって。『こんな地味でブスな奴が毎日、何ほざいてんだ』ってね。それで黙らせるために、わからせるために、勉強会を提案したわけ。まあ、勉強会があれば、私も常盤くんに近づけるからね」
「え……じゃあ、明日菜は私のためじゃなくて、自分のために?」
「そう。加持の馬鹿を協力者にしようって言ったのもね。大体、あんな口軽い馬鹿に協力者なんか無理でしょ? それくらいわかれっつーの。あんたも、加持も馬鹿でほんとやりやすかったわ」
え? 加持くんも?
「ど、どういうこと?」