レインリリーで待ってる





「勉強会での姿見れば、一目瞭然よ。あの加持の馬鹿があんたに惚れてるなんてね。大抵の奴なら気づくわよ。だから、利用してやったの。『私と常盤くんが上手くいくために、協力してよ』ってね。そしたら、あそこまで上手く事を運ばせるんだもん。考えたわねー、『付き合わなきゃ好きだってことばらす』なんて。あれは、唯一計算外だったわ」




じゃ、じゃあ、何か?




明日菜……いや、この女は、私だけじゃなく、加持くんまでも弄んだというわけか?




「な、なんて、なんて女……」




「いいねえ、その目。憎しむようなその目。ゾクゾクするわあー! ……ただ、誤算が一つあった。常盤くんよ」




公生くん?




「あの男に今日、私の想いを伝えたの。あんたよりも、真面目で、純粋で、何年も想い続けた想いをね。……それなのに、あの男ったら何て言ったと思う?」




明日菜は、雨が降りしきる天を見上げながら言った。





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